公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、2013年度の予算や資金計画を公表しました。団塊の世代の大量退職などによって国民年金と厚生年金の支給額は、団塊世代の大量退職などによって、約25兆2000億円となる見通しです。これは保険料や国庫負担では賄いきれないことから、厚生労働省は積立金を4兆6000億円あまり取り崩す方針です。2012年度に比べて取り崩しの額は減りますが、現役世代から入ってくる保険料や税金で足りない分を積立金で補なっています。このような事態が9年連続して行われています。
公的年金は毎年入ってくる保険料と税金による国庫負担で構成され、これまでの保険料の積立金の運用益などを財源に年金の支給を行っています。以前は保険料・税収と運用益で積立金が増えていました。 しかし、低成長や年金受給者の高齢化、団塊世代の大量退職などで毎年の収入だけでは給付が追いつかず、GPIFが積立金を取り崩し資産を市場で売却して年金の支払いに充てています。
積立金は最も多かった時は148兆円ありましたが、2011年度末の時点では約120兆円にまで落ち込んでいます。厚生労働省は今後、積立金の取り崩し額は減少していく見通しだとしています