会計検査院は7月30日、企業が国の助成を受けて「事業所内保育施設」を設置する事業について調査したところ、昨年9月末の時点で、51件の施設が廃止、30件の施設が休止となっていたと発表しました。定員割れや経営の悪化が原因で、検査院は「審査が十分に行われていなかった」と指摘。厚生労働省に対し、乳幼児の利用見込みの確認などを徹底するよう改善を求めました。

厚労省では、仕事と子育ての両立支援のため、企業が社内に保育所を設ける際、設置や運営にかかる費用を助成していて、平成5年度から23年度にかけて680件、88億円余りを支給しています。財務状況の悪化で運営開始から11か月で休止したり、乳幼児数がゼロになり1年5か月で廃止した企業もありました。助成を受けたが施設を運営しないなどの不正は確認されませんでした。

待機児童の数は、昨年10月時点でおよそ4万6000人に上る一方、企業内保育所の一部では子どもが集まらないというミスマッチが起きている現状が浮き彫りになりました。